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メールマガジン Top Eye Vol.467

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福島会計事務所 メールマガジン Top Eye Vol.467

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ H30. 05. 21 ━━

◆ 今号の目次 ◆

【1】「相続分野における法改正について」甲斐 昭彦

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【1】「相続分野における法改正について」甲斐 昭彦

実に40年ぶりに改正されることになった相続関連の法改正。

2018年3月13日、遺産相続などに関する民法改正案が閣議決定されました。

相続分野の改正は約40年ぶりとなり、
今国会で成立すれば2022年春にも施行される運びとなります。

背景には、少子高齢化社会や、増加している相続トラブルなどがあり、
今回の改正は、残された配偶者や法定相続人以外の寄与者(下記⑤参照)に対する配慮、
そして遺言書の作成と保管を容易にするという内容となっています。

今回の主な改正点は以下の通りです。

①配偶者が遺産となる建物に無償で住めるようにする「短期居住権」の新設、及び、
配偶者が遺産となる居住建物の「長期居住権」を選択できるようにする。

②婚姻期間が20年を超える夫婦間で居住用不動産を遺贈や生前贈与をされた場合、
遺産分割対象から除外する。

③被相続人の預貯金などを、遺産分割前に生活費や葬儀費用の支払いなどに充てられるようにする。

④自筆証書遺言書の方式緩和、及び、公的機関(法務局)での自筆証書遺言の保管制度を創設する。

⑤相続人でなくとも、被相続人の看護などに大きな貢献をした人(寄与者)が、
相続人に金銭を請求できるようにする。

⑥遺留分を算定する際、相続人に対する贈与は相続開始前10年以内のものに限り算入する。

難しい文言が並んでいますね。

全ての詳細な説明は紙面の都合上、割愛しますが、分かり易くお伝えしますね。

①配偶者が相続開始時に被相続人所有の建物に住んでいた場合、相続が決定するまでの
一定期間(短期居住権)または終身(長期居住権)住み続けることができる「配偶者居住権」が
創設され、配偶者は遺産分割の選択肢の一つとして、その権利を取得できることになります。

②婚姻期間が20年以上の夫婦の場合、配偶者が居住用不動産(土地・建物)を遺贈・贈与されたときは、
その不動産を原則として遺産分割の計算対象とみなさないことになります。

例えば、これまでは生前贈与などで自宅を妻に渡していても実際に相続が起きた時には、
その自宅分は相続財産に戻した上で遺産分割を行っていました。

これを「持戻し(もちもどし)」と言うのですが、これを婚姻期間20年以上の夫婦の場合には
生前贈与の場合でも遺贈の場合でも、持戻しをしないことになります。

つまり、自宅はまず妻のものとなり、残りの現預金や不動産などの財産を相続人で分けることになるので、
実質的に配偶者の取り分が増えることになります。

③従来では、銀行の預貯金などは遺産分割の対象として、被相続人が亡くなると一旦凍結され、
相続人全員の合意がない限りは引き出せないものとなっていましたが、
分割する前であっても、相続人は葬儀費用や生活費として必要な分を引き出せるようになります。

これは配偶者のみでなく、ご遺族が生活に窮しないための配慮ということになります。

④遺言書には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類があります。

この中で、自筆証書遺言の財産目録を自筆ではなくパソコンなどでも作成を可能にするとともに、
自筆証書遺言を法務局で保管する制度を創設します。

自筆証書遺言は、偽造を防ぐために全文直筆であることなど民法で厳格なルールが決められていますが、
特に財産目録欄の間違いや記載漏れが多い為、負担の軽減が期待される内容となっています。

又、自筆証書遺言を法務局で保管するようになれば、
遺言書の紛失や、意図的な隠ぺい、偽造を防ぐ効果も期待できそうですね。

⑤被相続人の生前に、法定相続人ではない親族(特に相続人の妻など→寄与者)が、
介護や看病で被相続人の財産の維持などに貢献した場合には相続人に金銭を請求できるようになります。

ただし、この対象は親族限定で、家政婦さんなどが介護や看病をした場合は含まれません。

⑥現行の制度では遺留分(民法で定められている一定の相続人が最低限相続できる財産)の基礎財産に含める
生前贈与の期間制限はありませんでしたが、相続開始前の10年間にされたものに限定して
遺留分の基礎財産に含めることに変わります。

つまり、事業承継対策で自社株を後継者である相続人に贈与した場合には、
今までは20年前の贈与でも遺留分の算定対象となりましたが、改正後は除外されることになります。

事業承継税制の拡充もあり、自社株贈与の早期移転を促進する狙いがありそうです。

逆に、遺留分の権利は強く確保され、遺言書の中身に関わらず、
その権利を現金で請求出来ることになりそうです。

出典: 民法(相続関係)等の改正に関する要綱案(案)
http://www.moj.go.jp/shingi1/shingi04900346.html

我々の立場では、相続税の申告で配偶者居住権や寄与者の請求権をどのように評価するのかという点、
事業承継関連では遺留分の取り扱いの変更が気になる所です。

なるべく、分かり易く書いたつもりですが余計に難しくなっちゃいました?

審議中なので未確定な部分もありますが、気になる方は、是非とも担当にご一報ください。

かなり大きな改正ですので、今後の動向に注目です。


甲斐 昭彦

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■■ 編集後記
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昨日は実家に帰省し、祖母の米寿の御祝いをしました。

祖父と一緒にお祝いすることは叶いませんでしたが、
元気そうで何よりでした。

祖母は10年手帳を買ったそうで、
100歳まで長生きするという新しい目標を立てていました。
いつまでも元気でいてほしいです。

繁忙期で帰省できず、年末以来となりましたが、
家族はどこに行っても家族だなと改めて感じました。

私がまた太ったことに関して両親は唖然としていました・・・。

あれ?痩せたって言ってたよね?

・・・すみません、リバウンドしました。

続きは来週の編集後記で・・・!


本橋
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2018-05-21 月 | Category : メールマガジン