個人的な感情
ウクライナの子供たちが傷ついて手当てを受け、残念ながら命を落とす映像、
市民の行き場のない怒りと悲しみに沈む表情、
市街地がいたるところで砲撃を受けてガレキの山になっている光景が放映されます。
昔と違い、戦争をするにしても決められた人道的ルールを守るよう求められていても、
ロシアは、というよりプーチンはそれを守る気がありません。
こうした状況を見て欧米諸国をはじめ世界中の多くの国が世界大戦を避けるべく、
軍事行動こそ起こしていませんが、ロシアに対して経済制裁を課しています。
もともと国民一人当たりの所得が高くないロシア国民の、物価上昇による生活苦も伝えられています。
結局この戦争によって得する人間は誰もいないのです。
少し長い目で見ると、結局はロシア国民が1番困る状況に陥ると私は思います。
今まで中立国だった、スイスがウクライナへ武器を提供し、
同じく中立国だったフィンランドやスウェーデンが武器の提供とNATO加盟に動きつつあります。
元ソビエト連邦の一部だったジョージアとモルドバもNATO加盟に動いています。
つまり、ロシアとベラルーシ以外の多くの国が反ロシア網を敷くことになります。
仮に今回の戦争でウクライナの国土をロシアが支配したとして、
ロシアは何か得するのでしょうか?
ウクライナ人はロシアに支配されても、ロシアに対しては怨嗟が残るだけです。
それが解消されるのは、プーチンが死んで(年齢を考えれば約10年後)
ロシアがウクライナに謝罪と復興の援助をする時でしょうか。
その間ロシアとベラルーシは世界の中で孤立し、
ロシア国民はずっと経済的困窮から抜けられないのです。
プーチンたった一人の個人的感情を満たすために、
世界中のどれだけの人々の生命が、経済的にも犠牲になるのでしょうか。
福島 康晴