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メールマガジン Top Eye Vol.321

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福島会計事務所 メールマガジン Top Eye Vol.321

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今号の目次

1】「会社における役員報酬の注意点」室田

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1】「会社における役員報酬の注意点」室田

今回は役員報酬の注意点について解説したいと思います。

役員報酬とは、会社役員に対して支払われる給料のことを言います。

従業員への給料ならば雇用契約に基づいて決定されますが、役員報酬は定款に記載または株主総会の決議で決定されます。

中小企業の多くが社長一人のオーナー会社若しくは株主が親族だけで構成されている同族会社という場合がほとんどでしょう。

そのため役員報酬の金額を会社役員が自由に決めることができ、利益操作につながってしまいます。

そこで、利益操作を防止することを目的として、役員報酬について法人税法上は以下3つの要件が定められています。

(1)定期同額給与

(2)事前確定届出給与

(3)利益連動給与

上記3つの要件に該当しない役員報酬の金額は原則として損金算入が認められません。

つまり、今月会社の業績が良かったから役員報酬を上げよう、今月は赤字だから役員報酬を減らそうということが簡単には出来ません。

ただし、例外はあります。

例えば取締役が代表取締役になるといった役員変更があったことに伴う役員報酬の増額は認められています。

また、会社の売上が著しく減少し、経営状況が著しく悪化した場合等には役員報酬の減額が認められています。

それらに当てはまる要因以外は、年に一度の定時株主総会でしか役員報酬の変更は認められていません。

では、役員報酬に変動があった場合に、どれほどの影響があるのでしょうか。

法人税・所得税・住民税・社会保険料の観点から以下2つのケースで見ていきます。

<ケース1:役員報酬を増額した場合>

会社の経費が増えるためその分、会社の利益は減ります。

そのため、法人税は減ります。

逆に社長個人の所得税・住民税及び社会保険料の負担は増えてしまいます。

<ケース2:役員報酬を減額した場合>

会社の経費が減るためその分、会社の利益は増えます。

そのため、法人税は増えます。

逆に社長個人の所得税・住民税と社会保険料の負担は減ります。

ここで簡単な具体例をご紹介します。

<前提>

X社(本店所在地が東京都)、今期の売上が1,000万円、経費が500万円

代表取締役A氏(扶養親族は奥様のみ)

実効税率を計算の便宜上、35%と仮定します。

<ケース1 役員報酬2,000,000円の場合>

A氏の所得は2,000,000円-780,000円(給与所得控除)= 1,220,000

よって所得税は1,220,000 × 5% 61,000

社会保険料は年間約280,000円(本人負担分)

住民税は均等割と所得割を合わせて56,000

会社にかかる税金は3,000,000 × 35% 1,050,000

よって、会社、個人の税金、社会保険料の合計が1,447,000円となります。

<ケース2 役員報酬1,000,000円の場合>

A氏の所得は1,000,000円-400,000円(給与所得控除)= 600,000

よって所得税は600,000 × 5 30,000

社会保険料は年間約155,000円(本人負担分)

住民税は均等割5,000

会社に掛かる税金は4,000,000 × 35 1,400,000

よって、会社、個人の税金、社会保険料の合計が1,590,000円となります。

[参照URL]全国健康保険協会

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/shared/hokenryouritu/h26/noukokuyou9gatukaitei/13toukyou.pdf

この2つのケースを比較した場合、 結果としてケース1で計算した方がケース2で計算した時と比較して、

会社、個人の税金、社会保険料の合計が143,000円安くなりました。

このように、役員報酬の金額決定によって、会社か個人のどちらに資金が多く残るかが変わり、会社にかかる税金、社長個人の所得税、社会保険料の合計額も変わってきます。

つまり、役員報酬の金額をどのように設定するかによって、納めるべき税額が会社、個人双方で大きく異なってきます。

役員報酬の設定でお困りの方は、お気軽に福島会計事務所までお問い合わせ下さい。

室田

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■■ 編集後記

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北陸新幹線の開通がいよいよ今月に迫ってまいりました。

始めてその話題が上がったのが約6~7年前だったと記憶しています。

当時はそんな先のことは自分には関係のないことだと思っていましたが、時間が経つのは早いものです。

今回の北陸新幹線開通によって北陸で一番の都会である石川県金沢市が賑わっています。

私の地元、富山県でもかなり新幹線の話題で持ち切りですが、全国ネットのCMではほとんど金沢特集です。

便利になるので嬉しい反面、富山県出身者としては金沢ばかりが取りざたされている現状に歯がゆい気持ちでもあります。

とにかく、今後の動向が楽しみです。

さっそく、今月北陸新幹線で実家へ帰省してみようと思います。

宮元 健志

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2015-03-02 月 | Category : メールマガジン