メールマガジン Top Eye Vol.328
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福島会計事務所 メールマガジン Top Eye Vol.328
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ H27. 04. 20 ━━
◆ 今号の目次 ◆
【1】 「競馬の払戻金に関する損得話」 宮元
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【1】 「競馬の払戻金に関する損得話」 宮元
突然ですが、みなさん競馬はやられるでしょうか。
私は賭け事がどうも苦手で、一度もやったことがありません。
今回のメルマガでは、競馬ファンの方にはとても興味深いであろう、先月10日に出た最高裁の判決をご紹介します。
この判決により、法律が改正されるようです。
裁判の争点となっていたのは次の2点です。
(1)競馬の馬券の払戻金は、一時所得と雑所得のいずれに該当するのか
(2)所得金額の計算上控除すべき金額は、的中した馬券の購入金額に限られるか否か
この2点に関して、最高裁が、「競馬の馬券の払戻金は一時所得ではなく雑所得に該当し、外れ馬券も所得金額の計算上経費に当たる」と結論付けました。
これは納税者にとって今後、有利になるであろう判決です。
最高裁の判決では次のような結論となりました(以下、原文参照)。
「被告人が馬券を自動的に購入するソフトを使用して、独自の条件設定と計算式に基づいてインターネットを介して長期間にわたり多数回かつ頻繁に個々の馬券の的中に着目しない網羅的な購入をして当たり馬券の払戻金を得ることにより、
多額の利益を恒常的に上げ、一連の馬券の購入が一体の経済活動の実態を有するといえるなどの本件事実関係の下では、払戻金は営利を目的とする継続的行為から生じた所得として所得税法上の一時所得ではなく雑所得に当たる。」
この文章だとよく分かりませんので、以下ではなぜ納税者にとって有利な判決なのか、簡単にご説明させていただきます。
そもそも、競馬の払戻金については税金がかかります。
従来の所得税法上の取り扱いとしては「一時所得」に区分されていました。
一時所得とは一言でいうと、たまたま生じた儲けといったイメージでしょうか。
競馬の払戻金以外にも、懸賞の賞金品、福引の当選金品なども該当します。
ただ、宝くじの当選金はなぜか該当しません、、、
ちなみに、一時所得に該当した収入は税務署へ申告しなければなりません。
ただ、全ての人に申告義務があるわけではなく、競馬に限って言えば、年間50万円以上儲けた人だけが該当します。
たとえば、次の例で考えてみましょう。
私があるG1レースで合計200万円の馬券を購入して、万馬券2枚を当てました。
夢のようなお話ですが、我慢してお付き合いください。
その結果、200万円の払戻金がありました。
この場合、一時所得として200万円(払戻金) - 2万円(万馬券@100円購入費用)
= 198万円(儲け)
が一時所得の金額とされ、そこからさらに50万円を差し引いた金額を申告することになります。
しかし、この払戻金が一時所得ではなく、雑所得として取り扱われた場合には、外れた馬券の購入費用全てが必要経費として認められます。
今回のケースでいうと、申告対象となる金額は200万円(払戻金) - 200万円(馬券購入費用) = 0円(儲け)となります。
つまり、一時所得であれば、当たった万馬券の購入費用しか経費として認められないのに対して、雑所得であれば購入した馬券購入費用全てが経費として認められます。
納税者にとって有利な理由は他にもあります。
老後の楽しみとして、競馬をやられる年金受給者の方も多いでしょう。
その方が競馬で損をしてしまった場合には、確定申告することで、年金(雑所得に該当します。)と、競馬で生じた損失を相殺できるため、税金が還付されるケースがあります。
実のところ、競馬で儲けたからといって、税務署に申告するかどうかは、その方の判断に委ねられています。つまり、自己申告です。
日本経済新聞の記事によると、馬券を買っている人の9割はトータルで損をし、その中でも偶然儲けを出した人で正しく申告している人は皆無に等しいとみられる実態があるようです。
ただ、今回の裁判での被告(元会社員)のように無申告だった場合には脱税行為とみなされるリスクもあります。
とは言っても、人間の心理としては申告したくないというのが本音でしょう。
今回の最高裁判決を受けて、国税庁は今後、判決の内容を精査し、パブリックコメント手続きを行っています。
既に、国税庁には判決の内容について多くの疑問の声が上がっているようです。
本格的な法律改正となった場合には、正式に国税庁のHPで公表されるようなので、私も注目していきたいと思います。
今回のメルマガ記事で、少しでも税金が身近なものだと感じていただければ幸いです。
宮元
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■■ 編集後記
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日本マクドナルドの業績悪化が著しいです。
私自身、普段からほとんどマックを利用することはありませんが、平日朝や週末にたまに行く程度です。
今回の2015年12月期の連結決算では、上場以来過去最悪の380億円の最終赤字になる見込みだそうです。
この業績悪化を受けて、正社員を対象に約100人のリストラを実施されます。
また、現代表取締役社長兼CEOのサラ・カサノバ氏の役員報酬も半年間、20%減額することが決まっています。
更に130店舗をあまりを閉鎖するということで、マクドナルドは窮地に立たされています。
食の安全性が最も注目されている昨今において、今後のカサノバ社長の経営判断に注目していきたいと思います。
宮元 健志
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