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メールマガジン Top Eye Vol.371

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福島会計事務所 メールマガジン Top Eye Vol.371

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ H28. 06. 06 ━━
◆ 今号の目次 ◆

【1】「平成28年税制改正」 宮元 
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【1】「平成28年税制改正」 宮元 

平成28年度の税制改正大綱が昨年12月に公表されました。

今までも平成28年度の改正内容に関していくつかご紹介させていただきましたが、
今回は、法人税に関して税制改正の内容を改めてご紹介させていただきます。

今年の改正内容に関して、昨年度までに比べてさほど大きな改正内容はありませんでしたので、
我々としては正直ホットしております。
ただ、毎年、少なからず税制は改正されるため、日々勉強です。

以下、具体的内容です。

1.法人税率の引き下げ

現行の法人税率は原則として大企業、中小企業問わず23.9%(中小企業については年間800万円以下の所得に対しては15%)ですが、
今後、以下のように税率が引き下げられます。

平成28年4月1日~平成30年3月31日の間に開始する事業年度 ⇒ 23.4%
平成30年4月1日以後開始する事業年度 ⇒ 23.2%

これで3年連続の税率引き下げとなりますが、今回の改正で日本の法定実効税率がいよいよ20%台(29.97%)に突入します。
これは全ての黒字企業が対象となります。
黒字企業の収益性を上げ、積極的な設備投資を促すことなどを目的にしていると思われますが、
果たして日本の約9割を占める赤字企業にとっては、効果があるのでしょうか。
個人的には甚だ疑問です。

2.減価償却制度の見直し

こちらの改正がお客様にとっても、実務的にも最も大きな影響がある改正だと言えます。
建物附属設備(冷暖房設備etc)や構築物(アスファルト、看板、街路灯etc)に関して定率法が廃止されます。
つまり、毎年一定額を費用計上していく定額法に統一されます。

これにより、資産を事業供用した初年度に多額の減価償却費を計上できるという点で定額法に比べて節税効果が高かった定率法が使えなくなるため、
設備投資後の納税者の税負担は一時的に増えることになります。
一つの資産に対して最終的に計上される減価償却費の総額は定額法、定率法共に同じであるため、
あくまで一時的な節税ができなくなるという意味になります。

また、平成28年4月1日以後に取得する建物附属設備及び構築物から適用されますが、
機械装置や器具備品に関しては引き続き定率法と定額法の選択適用となっておりますのでご注意下さい。

3.生産性向上設備の投資促進税制

現行、機械装置、建物、構築物に関して認められている特別償却制度及び税額控除制度(5%若しくは3%)が平成28年度に内容が縮小され、
平成29年度には制度そのものが廃止されることになります。

4.欠損金の繰越控除制度の見直し

こちらの改正点は大企業(資本金5億円以上の大企業の100%子会社である中小企業も含む)が対象となる改正で、
欠損金の控除限度額が段階的に65%、60%、55%と引き下げられ、平成30年4月1日以後に開始する事業年度において生じた欠損金については所得の50%とされます。
これも、法人にとっては不利な改正となります。

ここでいう欠損金とは会社が黒字の時に、その黒字と相殺することができる税務上の赤字のことを言います。

中小企業の場合、基本的には会社の黒字は全て税務上の赤字と相殺できますが、
大企業の場合には、相殺できる黒字には一定の制限が設けられています。
その制限がより厳しくなる改正のため、納税者にとっては不利となります。

ただ、同時に、欠損金の繰越期間が平成29年度以後は9年から10年に延長されるため、その点は納税者有利となります。

5.雇用促進税制の見直し

対象となる雇用者が現行制度では正社員、非正規社員問わないとされていましたが、
平成28年4月1日以後開始事業年度よりは対象となる雇用者は正社員に限定されることになり、かつ、対象地域が限定されます。

対象地域は「地域雇用開発促進法の同意雇用開発促進地域内にある事業所」とされていますが、
具体的に、厚生労働省のホームページで地域一覧が公表されています。

北海道、青森、岩手、宮城、秋田、茨城、栃木、山梨、長野、滋賀、京都、兵庫、奈良、和歌山、鳥取、広島、山口、徳島、愛媛、高知、福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄
の28道府県内101地域が対象(平成27年10月1日現在)

つまり、東京、大阪などの大都市圏が除外されます。都市部のみに事業所を持つ会社は適用が受けられなくなるため、
我々の顧問先様の多くは適用対象外となってしまいます。

以上、法人税法の改正点について簡単にご紹介させていただきました。

消費税率10%への増税及び消費税の軽減税率導入が平成31年10月まで延期となり、注目を浴びる中、
法人税だけでもこれだけの改正点があるので、我々も税制の動向に常に注目しています。

お客様にとって有益な内容があれば随時、ご紹介させていただきたいと思います。



宮元 



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■■ 編集後記
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今年も6月に突入しました。
弊所でも繁忙期を無事に終えることが出来ました。
数多くのお客様にご協力いただいたおかげです。
ありがとうございます。

福島会計事務所では業務時間の短縮と業務改善を目的として、
毎週水曜日、下記期間においてノー残業デーを設けることとなりました。

期間 平成28年6月8日(水)~平成28年11月30日(水)

限られた時間の中で効率よく、計画的に業務に取り組んでいきたいと思います。

今週には梅雨入りとのことです。
体調管理には気を付けていきたいですね。

本橋
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2016-06-06 月 | Category : メールマガジン